Interview by Hiroshi Egaitsu / Photo by Masataka Ishida Riddim11月号    「っていうか、(ヒップホップの)ソウルを得る方法が2つある ってことさ…それをクソ正直に生きてみるか、じゃなかったらダウ ンロードするんだよ」…EL-P from Comapany Flow  これはインターネット上にいる人々への攻撃ではなく、ヴィデ オ・クリップを彼らが持っているという理由で(!)、Company Fl owをワック呼ばわりする連中に対して、″俺は弁護する気はさらさ らないね″ということだ。つまり、ヒップホップの定義は実際にそ の言葉が誕生してからも刻々と変化してきた。言葉は生きているし、 アートフォームは勿論だ。  ユウザロック★は長野から東京に出てきた頃、KRS1やBDP に影響されたその初期、ジャズ・ファンク・バンドとセッションを ローカルなクラブでコラボレーションをしていた時期、雷が急襲し、 日本中のBボーイがハードコアであるかのように振る舞った時期、 「さんぴんCAMP」、エレクトロファンクを今に伝えようとした実験 …そこに共通していることがある。彼のラップと彼がいつだってヒ ップホップを生きようとしてきたことだ。  「今回のアルバムでは俺はもう人間じゃない。機械なんだ。バム 星っていう星があって、そこからヒップホップ・ウィルスが降りて くる。降りてきて、タケマエ・ユウっていうたまたま猿みたいな人 間にウィルスが感染して、地球を救う…ファンクなんだ。そのため に俺は機械、ラップ・マシーン。ラップをするための状態…世紀末 にアルバム作るってことは、日本語ラップの楽しい部分…宴会部長。 ネガティヴな部分はいい」  こう言うユウザロック★のアルバムがとうとう完成したのだ。そ れまでのことを彼はこう振り返る。  「エレクトロは自分のヒップホップの原点に帰るために大切なも のだった。去年一過性のあのブームは…なんだろう…懐メロでしょ う。オニャンコClubと同じ感覚。そのぐらい俺にとって大事(きっ ぱり)。とんねるずとオニャンコClubとエレクトロは、並んでる。 とんねるずは初期。今は全然駄目。初期の、″オールナイトフジ″ 出る瞬間とか、深夜やっていたドラマとか、ルーツで懐メロ」  じゃあ、オニャンコは?  「オニャンコは青春のバックボーン。誰が好きだったかって?  新田ちゃん。その前はナカジ。最終的に永田るりるり行くんだけど、 その前にふっくんで…消滅(この後省略)」  そして、彼は今年をこう見据えた。  「オールド・スクール回帰みたいなこと…俺が去年提示したこと を今キレイに出来ている人もいる。今度のアルバムでも、こてこて のマイアミもやってみたけど、今ドラゴンアッシュとか色々出てき ているじゃない? ノリエガみたいなヒップホップもあって、だけ ど、一般人にヒップホップっていうのはこんな感じですよって聞か せるのは、マイアミしかないと思った。グランドマスター・フラッ シュが言ってたように、″Good Times″2枚使いが良いんだよみた いに、誰もが盛り上がれるってこと。パーティ・ソング。マイアミ のやつはね。日本語ラップの一番いけないところは、一見さんお断 りみたいなところ。俺はやっぱり、ヴェルファーレみたいなところ でも″Duck Rock Fever″でもなんでもプレイされて盛り上がれば ヒップホップ、そこに生まれると思うし、でも踊っている人は、や っぱりHave Funしている筈だし…Bボーイ論争(Bボーイの定義に ついて)とかあったけど、魚屋のアンちゃんでもトラックの運転手 でも、アパレルの姉ちゃんでも何でも良いけど、自分がBボーイだ と思っている意識があれば、Bボーイだっていうか。ブレイカーじ ゃなくても、MCじゃなくても、DJじゃなくても、ヒップホッ パーはヒップホッパーで変わりはない、俺はそう思っているし、そ う思わないと思うし、実際は。でも、KRS1が言っているように、 毎日毎日俺はヒップホップを生み出すだろうかだとか、ヒップホッ パーだろうかっていう意識も上がってきてて、そういう自分も好き だし」  多彩なゲストを迎えている。 「″Guess Who's Back″はスキットだけど、″No Joke Talks″は 6年ぐらい前からあった曲で、″サウンドトラック″の頃から…で、 その曲は絶対マーヤンをフィーチャーしようって決めてて、で、サ ブタイトルの″目黒川″っていうのもその時から決まってて、歯に 衣着せずに言い合えるような、男同士、男っぽい曲にしようって。 マーヤン、デヴ・ラージ。鉄板で。今回のゲストの目玉の一つは マーヤンとボーイ・ケン。格好良いのを聞かせたかった。で、あん な普段から格好いい人いないね。俺は右翼でも左翼でもないけど、 やはり日本人だから、愛国心っていうと誤解されるけど、やっぱり この国で生きているから、この国で頑張りたい。″Professional E ntertai-ner″はデヴ・ラージ・ヴァージョンと、NIPPSヴァージョ ンとあって…NIPPSっていうのは、ラッパーとして俺が一番好きな ラッパー。NIPPS1位で、2位がANIで、3位が俺。それ以外にはい ない。NIPPSとANIと、それぐらいしかいないですね。本当に、本当 にANIにも影響受けているし、ラップの仕方とかにも影響受けてい るし。日本語を…こう、ちょっと変えるっていうか。凄くロックし ている」  このアルバムの一つの目標はやはり未来である。  「一番聞いて貰いたいのは、やはり中学生ですね。マイケル・ジ ャクソンじゃないけど、子供達にやはり未来があるから、一番大事 にしていたことがあって…昔生活していた部屋ってたいしたことが なかったでしょう?…だけど、レコード買ってきて、聞くと、その 部屋の空気が、″やべーんじゃねーか?″って思ったことない?  俺、これを聞いてて、再生されたこれを聞いていて、俺はこの後ど うなっちゃうんだろうって思う…何にも本当はならないんだけど、 もう完璧トランス入るっていうか、あったじゃん? あの、ドキド キ感。色々な音楽聞いていたけど、俺はそういう音楽を作りたいっ て。プレイ・ボタンを押した時点でね、初期衝動みたいのがね。あ と、地域を限定しなかった。″Back City Bluese″以降変わったの が、やっぱり森の中とか、自然の中でも聞けるヒップホップ。東京 限定じゃない。あぜ道…山が横にあって、通学するときそれを見な がら聞いたりとか、そういう人もいるだろうし、そういう時聞いて 貰ったりしたらどうかなって。東京だけじゃない」  「それよりANI(from SDP)が持っているヒップホップ感、千葉 君(Motocompo Head)の宇宙感とか、俺はそういう人達が回りにい て幸せだなっていうか、でも、同時に、ヴェルファーレでもハーレ ムでも踊れる対応にしたっていうか、ヴェルファーレではサラリー マンも踊るんだけど、ハーレムではヘッズも踊るって。出来るだけ、 色々な他ジャンルの人にも聞いて貰いたい。お喋り…それこそラッ ピングの楽しさっていうか。言葉はいつでもメモを持って、新しい 言葉を書き留めている(と、新しい曲から一節やってくれる)全部、 こう作っていって。言葉はやっぱり、(スチャダラパーの)『FUN- KEY LP』に影響を受けた。(このアルバムも)FUN-KEYなアルバム になっていると思うよ」